思い返せば、小学校の頃から国語が苦手でした。中学校に上がった頃は苦手だった科目も、高校に入る頃にはそれなりに得意になっていましたが、国語だけはさっぱりでした。大学入試も国語が一番点数が悪かった。
国語は文系の科目と考えられがちです。しかし、エンジニアの仕事の3割以上は物書きだと言われるほど、理系の職種でも文章は書きます。学校においても、実験のレポートや卒論など、理系だからといって国語が不要などころか、より的確で明快な文章を書く必要があります。そもそも国語=日本語である以上は誰だって日常的に会話の中で国語を使います。そういう意味で、国語に文系・理系の区別はありません。一方、いわゆる文系的な場面で出てくる日本語は文学的に美しくても、文章として不明確で難解なことがあります。たとえば、法律の条文なんていくらでも解釈があり得ますし、解説本が何冊あってもよくわからないこともあります。そういう意味で、「文系」はむしろ日本語が下手だとも言えます。
ほとんどの日本人の母語が日本語である以上、誰でもそれなりに文章を書くことができ、話すこともできます。でも、自分が書いた文章は、本当に他人から見て読みやすいのでしょうか?読みやすい文章の基準とは何なのでしょうか。読みやすく、わかりやすい文章を書く方法なんて、誰も教えてくれませんね。