物理学A(電磁気学)・秋山英文・1999.2.16 15:00〜16:30・理1 25-26
本・ノート持込不可. 答案用紙 両面1枚. 計算用紙1枚


電磁気学 試験問題 1999.2.16 担当秋山


[第1問]
 正電磁場 を記述する時間に依存しないマックスウェル方程式は、次のように書き表される。

▽・ = ρ/ε0   (1)
▽× = ア   (2)
▽・ = イ   (3)
▽× = μ0j   (4)

ここで、ρ、j、ε0、μ0は、それぞれ、電荷密度、電流密度、真空の誘電率、真空の透磁率である。

1) 上式のア、イをうめよ。式 (2) と (3) の物理的意味を簡潔に説明せよ。
2) 上式 (1) 〜 (4) に、必要な項を付加して時間に依存する一般的なマックスウェル方程式を完成させ、書き下せ。



[第2問]
 図に断面を示すような半径aおよびb(ただしa<b)の二つの共軸の導体円筒(同軸ケーブル)がある。円筒の長さの長さは、bよりも十分に長いものとし、各円筒面の厚みは無視できるものとする。

1) 内側の円筒に +、外側の円筒に -の電荷を与える。このとき、中心から半径 r の位置における電場 の大きさ ( r ) と向きを求めよ。
2) また、このときの2つの円筒間の電位差 を求め、電気容量 を求めよ。
3) 次に、内側の円筒面上と外側の円筒面上にそれぞれ + と -の電流を軸方向に一様に流す。電流の向きは紙面下向きを正とする。このとき、中心から半径 r の位置における磁場 の大きさ (r) と向きを求めよ。



[第3問]
 設置した十分に広い導体表面から距離 h はなれた点Hに、点電荷 q を置く。導体表面が xy平面、点の座標が H(0, 0, h) となるように座標軸を設定したとして以下の問いに答えよ。

1)(0, 0, a) (ただし、ah)における電場ベクトル A を求めよ。
ha ≪ 1 として近似した表式も求めよ。
2)(b, 0, 0) の導体内側と導体外側における電場ベクトルBをそれぞれ求めよ。hb ≪ 1 としてきんじした表式も求めよ。
3) 導体表面に誘起される表面電荷密度σ(x, y)を求めよ。
4) 点電荷 q が導体から受ける力を求めよ。
5)に、点電荷 q の代わりに電気双極子 p を置く。p=(0, 0, p) の場合と、p=(p, 0, 0) の場合とではどちらが安定か、理由を付けて答えよ。



  注意:以下の事項を守らない場合、カンニングとみなされることがある。
※特に出題者からの許可がない限り、学生証、時計及び筆記用具以外のものを机の上に置かない。
 筆入れなども鞄等にしまい、鞄は机の中、脇の椅子または床の上に置く。
※教科書、参考書、ノート等は鞄等にしまう。
※解答用紙や計算用紙は所定の枚数以上に取らない。