KPK宣言

Copyleft 2001 KPK運動中央執行委員会
そんなものはありません(^^;

スペルミスの指摘ありがとうございます > 飯嶋さん(^^;

I. KPK とは何か

KPK とは、「過去問は PDF で書こう」の頭文字を取ったものです。すなわち、期末試験等の過去問を、ブラウザからそのまま見られる PDF 形式で配布することを目指します。

従来は、過去問といえば、LaTeX で組版したものを Postscript 形式で配布するのが一般的でした。しかし、わざわざきれいな出力ではあるがきわめて難解で UNIX 文化でしか受け容れられていないような LaTeX で組む必要がどこにあるでしょうか。

また、HTML のような、字面の雰囲気や、ベクタ画像を表示できず、しかもブラウザや OS によって表示方法が異なったり、ひどいときには表示すらできないような軟弱な組版システムを利用する必要性がどこにあるでしょうか。

確かに、数式や図を含まない多くの科目の場合は、HTML でまったく問題なく組版できます。

たとえば、97 年夏学期「法と社会」(大越義久教官)の試験問題を見てください。
これは、表題や注意書きを除けば以下の一文だけです。HTML で書いても、簡単に問題を作成することができます。

10 月に施行される予定の「臓器移植法」
のもたらすであろうプラス面並びにマイナス面は何か、
そしてそのマイナス面を是正するにはどのようにすればよいのか、
について論じなさい。

さらに、数式を含むものでも、HTML で組版可能なものは多数あります。

x3 + y3 = z3

などの簡単な数式ならばじゅうぶんに可能です。

また、行列・積分などの複雑なものでも、現在の市場をほぼ独占している Netscape Navigator と Microsoft Internet Explorer のみを前提すれば、多少見苦しい点はありますが以下のように製版が可能です(これは、表組み機能で実現しています)。

0 v(t)dt =
n
Σ
i=1
( pi )
qi
ri

しかし、どんな HTML ブラウザでも閲覧可能なことを信念とする人は、 このような「ブラウザ依存」に異を唱えるでしょう。それ以前に、こんな間違えやすいような複雑な入れ子構造の HTML タグを好んで入力する人なんてどこにいるのでしょう! 一度間違えても、修正する気にすらなりません!

そこで自然な発想として(?)浮かび上がるのが、過去問を PDF ファイルで配布することなのです。

II. なぜ KPK なのか

過去問を PDF で書くことには、次のような利点があります。

  1. ファイルサイズが小さい

    フォントを埋め込みさえしなければ、通常の過去問であればファイルサイズが 数十kBに落とせるので、教育用計算機センターの非力なシステムへの負担が小さく、 他のユーザーに迷惑をかけません。

  2. 印刷する前に内容を確認できる

    上と関連しますが、PDF ならば、各データを開いたらすぐ、 遅延なく画面に情報が表示されます。 したがって、文書をじっくり見てから、印刷すべきかどうかを判断することができます。 また、画面上でも拡大・縮小が自由自在ですから、わざわざ印刷する手間が省けます。

    Postscript の場合、延々待たされるのに業を煮やして、 ろくに中身も見ずに印刷ボタンを押してしまうということ、ありませんか?

  3. 初心者にも比較的簡単に製作・閲覧・印刷ができる

    従来の過去問製作に使われている LaTeX は、初心者には非常に難解なもので、 慣れないとなかなかうまく組版できません。

    また、印刷にも気を使います。 つい最近まで、LaTeX の出力である DVI ファイルや、 それを変換処理した Postscript ファイルを plain text 用の方法で印刷して無駄紙を発生する事故が 頻発していました。

    いっぽう、PDF ならば、 普通のワープロから PDF Writer をプリンタに見立てて 印刷するだけで、初心者でも最低限の組版はできますし、 目次ページにたどりつける人ならば だれでも簡単に印刷できます。 絵心のある人なら、Illustrator を利用すれば絵も挿入できます。

  4. Windows / Macintosh などの環境でも閲覧・印刷できる

    UNIX 環境では、LaTeX や Postscript のデータの閲覧・印刷ができることは半ば常識です。

    しかし、Windows や Macintosh の環境では、 Postscript は「たくさんあるプリンタ記述言語のひとつ」 すなわち「プリンタドライバのみが関知すべきもの」 として認知されています。 たしかに、Windows 版の Ghostscript + Ghostview をインストールすれば解決する問題ではありますが、 初心者にそれを要求するのは酷です。

    しかし、PDF であれば Windows, Macintosh, UNIX すべてのプラットフォームで、一般に普及している Acrobat Reader が用意されていますので、どんな環境でも 閲覧可能です。

III. しかし KPK は「PDF だけで書こう」ではない

とはいえ私は、なんでも PDF だけで組版することを主張するわけではありません。あまりに複雑すぎる数式や図形などを PDF で組版するのは面倒です(ただ、HTML のようにフォントや言語の問題がないのがよいですね)。

このようなものについて、私は数式プラグイン EzMath などとHTMLを組み合わせることも提唱します。要は、「適材適所な方式」での提供を目指すということです。