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Public Diary


2012-01-20

[鯖管] AmazonとGoogleのクラウドストレージ

2011年10月、それまでの Google Storage for Developers が正式サービスとなり Google Cloud Storage としてリリースされました。リリース時にはそれなりに業界ニュースで報じられましたが(例:ITmediaニュース)、その後の続報があまりありません。クラウドWatchなどは、同サービスを「S3対抗」(2011/5/19)などとしていますが、どちらを使うべきなのでしょうか。

Amazon S3は、クラウドストレージとしては古参で、2006年にサービスを開始しました。歴史のある分、日本語のサポートもしっかりしており、また、東京にもリージョン(データが物理的に保存される地域)があるのが魅力です。一方のGoogle Cloud Storageは、2011年にリリースされたもののまだ「実験的な段階」にあるとされ、日本語サポートもありませんし、北米と欧州にしかリージョンがないのもネックです。

両者ともほぼ同等のAPIを利用できるので、Google側にドキュメントがないこと自体はそれほど問題になりませんが、やはり大きな差が出てくるのはリージョンです。以下は、東京に置かれたサーバーから両者のバケットへ ping を打ってみた結果です。RTT で実に10倍の差があります。もちろん、RTTが10倍だからスループットも10倍というわけではありませんが、やはり一つ一つの動作について、レスポンスの違いを体感できる程度になってきます。

** Amazon S3 Tokyo region
--- s3-ap-northeast-1-w.amazonaws.com ping statistics ---
10 packets transmitted, 10 received, 0% packet loss, time 9018ms
rtt min/avg/max/mdev = 3.361/3.441/3.542/0.095 ms

** Google Cloud Storage US region
--- sandbox.l.google.com ping statistics ---
10 packets transmitted, 10 received, 0% packet loss, time 9047ms
rtt min/avg/max/mdev = 33.249/34.234/35.038/0.590 ms

なお、S3QLに付属のベンチマークスクリプトを使ってスループットを計測したところ、Amazon S3の東京バケットは4MB/s、同北米バケットが1MB/s、Google Cloud Storageの北米バケットが1MB/sでしたので、サービス提供者の違いではなく、単にリージョンの違いと言えそうです。

一方で、Google の管理インターフェイスはS3よりも使いやすそうな可能性を持っています。格納オブジェクト数(ページ数)を正しく表示できないなどのバグもあり、現時点ではちょっと使いづらいと言わざるを得ませんが、今後少しずつ改善されていくでしょう。また、Google自らコマンドライン管理ツール GSUtilを提供しているのは望ましいことでしょう。

したがって、現時点では、Googleのクラウドソリューションは日本向けではなく、当分の間、Google Cloud Storage は見送って Amazon S3 を利用するのが良いが、Google には一定の可能性も見いだせる、とまとめられましょうか。


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