2004-01-15 CCCDについて
● とりあえず、自分が理解している範囲でCCCDの問題点についてまとめてみた。
● CDの売り上げ低下
音楽CDって、バブルの時代も今も、相変わらず1枚3000円で売られているわけです。しかも再販制度で、安売りができなかったりするし。まぁ大学生だとか社会人にでもなれば、それくらい買える余裕は出てくるわけだけど、月々せいぜい数千円だとか高々数万円程度のお金しか使うことのできない中高生にとっては、大きな出費なわけですよ。CD屋のラックの前で、好きなアーティストのCDを手にとって、買うかどうか悩んで、いったん家に帰って、それから次の日にやっぱりラックの前で悩んで…で、3日目くらいにようやく決心が付いて1枚買った、とかいう経験は誰しもあったはず。
音楽なんて、別になくても生活はできるわけだし、実際レコードが登場するまでの数万年間、人間は基本的に音楽なしで生きてきた。もちろん、金持ちの道楽だとかたまの奮発で演奏会を楽しむなんてことはあったけど、必要条件ではなかった。だから、バブルが弾け飛んで久しい現在、高いCDをわざわざ買うのはよっぽど好きなアーティストだとかに限定されるから、売り上げが伸びないのは当然。CD以外だって、嗜好品はともかくとして、生活に必要な消費財ですら売り上げが下がっているんだし。それを、レコード業界は「不正コピーが原因だ」として、とんちんかんな理論を展開している。
それに、最近は適当なCDを買うと、本当にはずれを引く可能性が大きくなっている。昔は歌唱力のある歌い手じゃないと生き残れなかったというのもあって、適当にCD屋で平積みになっているCDを買っても、楽しむことができた。でも、今は歌唱力がない歌い手が多くて、そのアーティストを元々知らない人が聞いても楽しめなくて、損をした気分になる。だから、ますますCDを買おうという気分にならない。(実は、B'zのCDを聞き始めたのはジャケ買いがきっかけだった(藁)
CDって、プレスに必要な価格という意味での「原価」は1枚あたり数十円で、プラスチックケースやジャケットの印刷代を含めても、せいぜい数百円で作れるわけですよ、ほんとは。あとは(アーティストも含めた)人件費や中間マージン、輸送費や著作権料などでCD代の大半は構成されているわけで、別に努力すればもっと安く作れる。それが、時代は変わっても値段は高いままなんだから、あきれ半分に誰もCDを買わなくなるのは当然のことでしょ。
● CCCDの技術的な側面
レコード業界が、不正コピーを防ぐという名目で考え出したCCCD。これは、CDの "音源" にノイズを混ぜ、CDプレーヤーのエラー訂正機能を使って訂正させるための仕組み。PCのCD-ROMドライブは音源に対するエラー訂正機能を持っていないために、読みとりに失敗する…ということに一応なっている。(ただし、当然データそのもののエラー訂正はできる) ところが、実際にはPCでもドライブによっては読み込めるし、逆にオーディオ機器でも再生できないものがある。 まぁ、CDにはもともとコピープロテクトのための仕様はないわけで、そこに無理矢理コピープロテクトしようとしているんだから、こういうことにはなるんだけれど。
ただ、問題なのは、これで再生できなかったからといってCCCDの返品や交換には応じられないし、それで再生機器が壊れたところでオーディオ機器メーカーも対応してくれない。そんなソフトウェア業界も真っ青な対応なんだから、あまりにあんまりだ。「CDの規格通りに作ってないから再生できるかどうかわからんけど、とりあえず買ってみろ。でもお前ら消費者の責任で」だなんて、無責任きわまりない。
また、PCでの再生用 (当初は対応ソフトウェアがなかったのでMacでは再生できなかった。まぁ今でも UN*X では公式には未対応なんだけど) に圧縮音源が入っているものの、当然不可逆圧縮だから音質はそれほど良くないし、好きなようにコピーもできない。自分の好きなソフトウェアで再生することもできない。なんで自分で買った"物"の使い方まで制限されるんだろう? 別に不正利用をしようとするわけでもないのに…。しかも、それらは、CCCDの読みとりが可能なドライブなら自由に使えるし、デジタルオーディオ出力からMD等にコピーすることで、回避可能だったりする。だから、なんだか普通に使いたいだけの人からすれば、とても不公平だ。
● まとめ
そんなわけで、CCCDがなぜ忌み嫌われるかというと
- 消費者の使い方についての制限
- 一部環境での音質の低下
という技術的な話があり、一方で
- 売れ行き低下の原因を他に転嫁している
- 本来不良品になるべきものを無責任に発売する
というレコード業界への反発というポリシー的な議論があるのだと思う。
特に、コピープロテクト技術をとりこんだ DVD-Audio などの技術がすでに存在しているのにその普及には力を入れず、無理な部分で無理をしているのだから、「いまさらどうしてそんな行為に及んだのだ」という疑問に対して、レコード業界もオーディオ機器メーカーも、納得できるような回答を提示できていないのが一番の理由でもあると思う。
まぁ、オーディオ機器メーカーは、突っ走ってしまったレコード業界のとばっちりを食らっているだけ、という見方もできるわけだけれど…。